豚革の現状と魅力

 

 豚革の現状〜
①日本での消費は減少を続けている 

豚革の知名度の低さ、合皮の技術向上も重なり、日本の豚原皮の9割近くが輸出されています。
国内で唯一「自給自足できる革素材」なのに、魅力を知られていないために活用シーンが限られているのは淋しいし、もったいないことです。

 

②傷やシワが多く、革製品のメーカーさんに敬遠される 

豚さんは群れごとに仲良く暮らしているのでじゃれあいが多く、皮(皮膚)に傷がつく可能性が高くなります。
現在、傷やシワが目立つ豚革は製品に有効活用されることなく、捨てられることも多いです。

 

〜豚革3つの魅力〜

 

①食肉用の豚さんの

皮(副産物※3)を有効活用している

動物の革は、環境保護や動物愛護の観点からマイナスイメージを持たれがちですが、豚革は豚さんをお肉にする過程で出た皮(副産物※3)を活かしています。モノ余りの時代、すでにある素材の有効活用は、これまで以上に求められています。

「鞣(なめ)し(※1)」という技術を使い、副産物(※3)である皮を有効活用した豚革は、サスティナブル(※2)な素材です。

 

②国内で自給できる唯一の革素材 

動物の原皮の多くは輸入中心ですが、豚革は国内の豚さんの原皮のみを加工しています。
生育から加工まで全て国内で完結しているので、安心して使用いただけます。

 

③多彩な表現力

オリジナルブランドの革製品で一番喜ばれるのは、「優しい肌触り」です。

さらには、見た目の発色の良さも好評です。

日本一の豚革加工産地もピンチに!

東京都墨田区は、国内1位の豚原皮の加工産地です。

墨田区で多くの豚原皮が加工される理由は、革加工の技術があったこと、そして東日本での豚肉消費量が多く、豚原皮を運びやすかったからです。

そんな墨田区の豚革産業ですが、縮小傾向が続いています。

豚革を扱う企業数は、20年ほど前には約70社ありましたが、現在は12社~15社ほどに減少しました。
国内消費が減少したためです。

豚革は主に靴の内側やランドセルの内側の素材として使われていますが、どちらも合皮の利用が増えてきています。こうして豚革の国内消費が落ち込み続けると、さらに日本の革加工会社の廃業や雇用の減少などの影響が出てしまいます。

革加工会社の廃業が続くと、日本で生み出せるものが減ってしまい、大きな話をすると国力の低下に繋がります。

雇用が減少すると、街に活気がなくなり街全体が寂しくなります。